施工例 和歌山県みなべ町 S様邸

土地探しからのお手伝いでしたが、なかなか土地に恵まれず計画に約3年の月日がかかったS様。しかし結果的に良い土地で計画できて本当に良かったと思います。

新規分譲地の1番陽当たりの良い南向きの角地を押さえることができたのですが、奥に向かって狭まっている変形地でした。ファサード(勝負面)は一見きれいな形状をしていますが、敷地に沿って裏側で変形しており、実は平面形状はL字型をしたお家になります。そしてL字の入隅部分を、リビングに設けられたテラスドアから出入りできるプライベートな中庭としています。本来この中庭にはウッドデッキを設置してカフェのテラス席のような演出をする提案をしていたのですが、住んで感触を見てから設置したいということでひとまずウッドデッキは設置されておりません。なぜかお客様の中には「パッシブ設計=L字やコの字型の家」と勘違いされている方がいますが、あくまで今回は敷地条件によりそういった設計になっただけであり、本来L字やコの字型の家は省エネ性能・快適性能がガタ落ちとなり、パッシブ設計とは真逆なものとなってしまいます。平面形状がきれいな正方形の家に比べて、L字やコの字だと表面積が1.5~2倍に増えます。「表面積(外皮)=断熱材を入れる面積=熱が逃げる面積」です。熱が逃げる面積が2倍になってしまうので、同じ快適性・省エネ性能を出そうと思えば2倍の断熱性能が必要ということです。

ちなみにL字や、特にコの字の間取りは耐震性もガタ落ちとなります。耐力壁を1.5倍に増やすだけの簡易計算での「耐震等級3相当」は難なく実現できますが、本式の構造計算にかければほぼ間違いなく耐震等級3の要件を満たせていないという結果が出ます。このため変形した間取りの場合は必ず構造計算を行ない、きちんと耐震等級3を取得して安全を担保することを強くオススメします。この案件に関しては耐震等級3を取得させていただけないなら当社ではお請けしないと思います。このように、「なんとなくオシャレだから」という安易な理由でL字やコの字の家を建てるのではなく、しっかりそのデメリットは考慮しておきましょう。高耐震かつパッシブ設計(=快適な家)の基本は凹凸のない正方形~長方形の、総二階の間取りです。

今回、お客様がブルーが大好きということで、外壁のガルバリウムも玄関ドアもブルーのものをチョイスされました。ガルバリウムは軽量かつ高耐久ですが、単調なため外観デザインが難しく、下手をするとただの倉庫のようなお家になってしまいます。窓や差し色、外構工事の演出でいかに倉庫っぽさを出さずにデザインできるかが設計者に求められます。

(コメント: 営業/設計担当 鈴木 基悦)


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