気密測定 定期報告。19(雑談あり)

エスケイハウジングでは、建築させていただくすべてのお家で気密測定を行っております。

先日も、上富田町で建築中の現場にて気密性(C値)の測定を行いました。

結果は 気密C値=0.18 でした。今回も安定の超高気密が確保できております。

 

先日お客様より「『エアコンで冷房すると逆に湿度が上がるので、その湿度によって快適に感じられない場合がある』と主張する住宅会社の人がいたのですが、それって正しいのですか?」というご質問をいただきました。結論から言えば、その意見には2通りの解釈が考えられます。

1:相対湿度と絶対湿度を理解できていない

まずその意見の前提条件として、その意見を主張している人は「湿度」には「相対湿度(%で表現する、日常生活でよく我々が使う尺度)」と「絶対湿度(空気1kgの中に何グラムの水蒸気が含まれているかを示す尺度)」の2つの意味があることを理解できていない可能性があります。相対湿度はよく使われる表現ではありますが勘違いされていることも多く、一概に「湿度50%」と言っても、「気温が25度で50%」と「気温35度で50%」ではまったく意味が違います。例えばこの例の場合、同じ50%でも後者の方が実際に含まれている水蒸気量は圧倒的に多くなります。

仮に「室温35度で湿度50%」の状態からエアコン冷房を稼働させて「室温25℃で湿度70%」くらいの状態にもっていくというシチュエーションは、一般住宅においてはよくあることでしょう。そして上記意見を言われている人はこの状態を「エアコン冷房で湿度(相対湿度)が上がった」と言っているのでしょう。まさに湿度を相対湿度(%)でしか見ていないから起きる典型的な間違いです。

現実はどうなっているかというと、湿り空気線図というグラフを使って読み解いていくのですが、そうすると「室温35度で湿度50%」では空気1kg中に含まれる水蒸気量は約18gなのに対し、「室温25度で湿度70%」ではそれが約14gとなります。つまり乾燥しているのは「室温25度で湿度70%」の方なのです。

(冷房運転・除湿運転を問わず)エアコンは冷風を吹き出しながら空気中から水蒸気を抜き出し、除湿を行ないます。なので相対湿度(%)が上がったように見えても実際の水蒸気量は確実に減っているのです。ここを勘違いしている可能性が高いです。

 

2:気密がとれていない可能性

気密がとれていない、低気密な家であればエアコンで冷房や除湿運転をしても湿度が下がりにくいのです。

温度や湿度などの物理現象は必ず「高い方から低い方へ」流れます。エアコンで冷房をして除湿を行なうと外よりも室内の方が湿度が低くなるため、夏場は外の湿気が室内に向かって流れ込んでこようとします。しかし当社のような超高気密なお家であればその湿度の通り道がほぼ皆無なのでその影響は受けにくくなるのですが、気密がとれていない家であればエアコンがどれだけ室内から湿気を外に排出しようとどんどん無駄な隙間(低気密)を通じて湿度が室内に流れ込むため、除湿が効きにくくなります。

上記意見を主張している人が「エアコン冷房では室温だけが下がって絶対湿度がほぼ変わらない」という趣旨で言っているのであれば、それはその会社様の家は高気密が確保できていないということではないかと思われます。




紀南地方でもっとも古くから高気密高断熱住宅を手掛けてきた弊社の強みは、このように高水準な数値を安定的に出すことができる点です。

気密数値を語る場合、この「安定したクオリティ」が非常に重要なポイントとなります。1邸1邸の数値が安定しないようでは、お客様によっては「ハズレ」を引く可能性があるためです。

なお、数値性能だけが良くても「=体感性能も良い」という訳ではありませんので注意が必要です。数値性能と体感性能が比例していない建物はたくさん存在します。

むしろ数値性能は参考までと考え、実際に寒い日・暑い日の見学会に参加して「しっかり性能を体感できる」ことが大切です。

今後もまた報告をアップしていきたいと思います。

 

 


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