気密測定 定期報告。20(雑談あり)

エスケイハウジングでは、建築させていただくすべてのお家で気密測定を行っております。

先日も、田辺市で建築中の現場にて気密性(C値)の測定を行いました。

結果は 気密C値=0.19 でした。今回も安定の超高気密が確保できております。

 

先日ご契約いただいたお客様より「『天井の断熱を強化すると夏の快適性が上がる』と聞いたのですが、今回契約したエスケイハウジング標準仕様からさらに天井を断熱強化する価値はありますか?」というご質問をいただきました。とても鋭いご質問だと思います。

以下、まず前提としてC値は0.5以下を確実に担保しているという前提でのお話となります。それができていないのであれば、天井の断熱云々よりも先に高気密化をすべきです。

結論から申し上げると、当社の場合はこれ以上天井断熱を強化しても体感上差はほとんど感じられないでしょう。お客様の言う通り、実は夏において体感性能を大きく左右するのは壁よりも天井の断熱です(まぁそこに「窓」を加えると圧倒的に窓が性能を左右するのですが)。ですが当社の場合、すでに十分すぎるほどの天井断熱を施しておりますので、これ以上の強化は不要であると考えております。

 

その数値的な根拠について解説します。

部位ごとの断熱性は熱抵抗値(R値)という数値で示すことができ、この数字が大きいほど熱抵抗が大きい、つまり熱が伝わりにくいことになります。(熱貫流率U値やUA値と混同しないように!)

参考までに、世間一般でよくある天井断熱仕様で実際の性能値を計算してみましょう。

 

グラスウールをメイン採用している会社で多い天井断熱仕様 = グラスウール16kを155mm充填

(155/1000)÷ 0.038=4.1  よって熱抵抗値R=4.1 w/mk

イマドキの注文住宅であれば最低限クリアしたいレベルがこのへんでしょうか。この程度では決して「性能にこだわっている」と謳えるレベルではありません。ちなみに当社の実験においては繊維系の断熱材は輻射熱を通しやすい傾向がみられましたので、それを考慮に入れれば「夏涼しい家になる」とは到底言えないでしょう。

 

100倍発泡ウレタンをメイン採用している会社で多い天井断熱仕様 = 100倍発泡ウレタンを160mm吹付け

(160/1000)÷ 0.040=4.0  よって熱抵抗値R=4.0 w/mk

「発泡ウレタンは最高の断熱材です!」と宣伝されることもあるようですが、それは吹付厚によります。100倍発泡ウレタンで天井断熱を行なう場合によく販売店側が提案してくる厚みが160mm(壁80mm/天井160mm)ですが、それだと実は上記のグラスウールよりも性能値が悪いのです。発泡ウレタンを推す住宅会社はグラスウールを小馬鹿にした営業トークをしがちですが、盛大なブーメランが返っていますね(笑) 断熱材の種類だけで性能は決まりません。「断熱性能=種類×厚み」なのです。ちなみにこの程度の性能では全館冷房など到底できません。

 

某社フランチャイズパネル工法でよくある天井断熱仕様 = 硬質ウレタンパネル100mm厚品充填+遮熱シート

(100/1000)÷ 0.019=5.26  よって熱抵抗値R=5.3 w/mk

さすがは「お高い」と有名な商品だけあって十分な数値が確保できていると思います。「性能にこだわっている」や「夏涼しい」と謳うならやはりこれくらいの数値は必要です。さらにこの商品はパネル両面に遮熱シートがラッピングされてあり、輻射熱対策も施されてありますので、数値以上の実性能も期待できます。ただある情報通の方曰く「UA値などのスペック値優先のためか、壁も天井も同じ厚みのパネルとしている会社がほとんどで、バランスが悪い仕様になっていることが多い」とのこと。「天井の断熱は壁の倍が原則」ですから、確かにそれでは明らかに数値稼ぎの仕様にも見えますね。

 

エスケイハウジングの天井断熱仕様 = 30倍発泡ウレタンを130mm吹付+R1遮熱シート

【R1遮熱シートを考慮に入れず計算】(130/1000)÷ 0.021=6.19  よって熱抵抗値R=6.2 w/mk

【R1遮熱シートを考慮に入れて計算】(160/1000)÷ 0.021=7.61  よって熱抵抗値R=7.6 w/mk

「天井は壁の倍の性能を」の原則に則り、壁の倍程度の熱抵抗値を持たせた仕様としています。比較していただければお分かりの通り、数値で見てもブッチギリの高断熱仕様です。ちなみにここ最近YouTubeにアップしているお家は旧仕様の105mmとしていましたが、それでもご覧の通りの性能が確保できています。R1遮熱シートの効果がもっとも発揮されるのが天井であり、開発元の試算では「天井に用いた場合は30倍発泡ウレタン30~35mm分の効果に相当する」ということから、参考までに下段の試算も行ないました。YouTubeでお見せしている通り、これと樹脂窓・トリプルガラスに弊社独自の全館空調設計を採り入れることで全館冷房を可能にしています。

 




紀南地方でもっとも古くから高気密高断熱住宅を手掛けてきた弊社の強みは、このように高水準な数値を安定的に出すことができる点です。

気密数値を語る場合、この「安定したクオリティ」が非常に重要なポイントとなります。1邸1邸の数値が安定しないようでは、お客様によっては「ハズレ」を引く可能性があるためです。

なお、数値性能だけが良くても「=体感性能も良い」という訳ではありませんので注意が必要です。数値性能と体感性能が比例していない建物はたくさん存在します。

むしろ数値性能は参考までと考え、実際に寒い日・暑い日の見学会に参加して「しっかり性能を体感できる」ことが大切です。

今後もまた報告をアップしていきたいと思います。

 

 


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