気密測定 定期報告 23(~数値は目的ではなく手段~)

エスケイハウジングでは、建築させていただくすべてのお家で気密測定を行っております。

先日も、白浜町で建築中の現場にて気密性(C値)の測定を行いました。

結果は 気密C値=0.14 でした。今回も安定の超高気密が確保できております。今回は子供部屋だけが2階にある半平屋的なお家だったので気密測定には不利な条件でしたが、それをものともしない好結果を出すことができました。

 

数値は大切。でもそれは「手段」であり「目的」ではない

今回は前回のコラムの続編です。前回お伝えしたように数値は確かな性能を示すための1つの重要な根拠となります。①UA値 ②平均C値 ③窓サッシの種類 ④耐震等級 最低でもこれら4つの数値的な根拠を示さずに高性能住宅を語るトークがあるのであれば、それはかなり疑ってかかった方がいいと言わざるを得ません。

しかし最近は特にUA値において行き過ぎた数値競争が起こっているように感じられます。その結果「UA値を良く見せる」ことに心血を注ぎすぎた住宅がたくさん建っています。例えば断熱材はそのままに単純にUA値が良いだけの家を建てるのであれば、とにかく窓を小さく、そして数も少なくすればいいのです。窓は温熱的に最大の弱点なので、その部分を小さく・少なくするという考え方です。それだけでUA値はグッと向上します。

ですがそうしてスペック数値最優先で建てられた家では、後に「暗い」「思ったより光熱費がかかる…」「結局夏は暑い…」というクレームが絶えません。特に「暗い」は本当によく聞きます。実際、つい先日の見学会でも当社のお家を一通り見渡したあと「あ~良かった、明るい!」と言われたお客様がいたので、どうしたのかと尋ねると、以前他社様で見た高性能住宅が非常に暗く、さらに「高性能住宅は暗くなりがち」といった説明があったとのことでした。それはまさに前述の「数値を良く見せることに心血が注がれた」結果だったのでしょう。そして何より難しいことは、「暗い」はホームページ上の施工例写真からは判断が絶対にできないことです。カメラの露光調整次第でどんな暗い家でも明るく写すことができますし、むしろ写真に写せばカメラの特性上、実際には明るい家の方が暗く映ることさえあるからです。(※話が長くなるので「思ったより暖かくない…」「結局夏は暑い…」の原因はまた別の機会にお話します)

間取り設計の基本原則は、「日中は家じゅうすべての場所で照明をつけなくとも生活ができること」とされています。これは設計の指南書には必ず冒頭に書かれているほど基本中の基本です。当社ではトイレ以外の場所は日中は照明無しで生活ができる間取りを原則としています。なので当社が別に特別なことをしている訳ではないのですが、見学会を開催すると「エスケイさんの家って窓多い(大きい)ですよね!」と言われることが多いです。これは当社が数値スペック優先ではなく、実使用・実性能を最優先に考えているが故の傾向であり、むしろこれが建築的に自然であると考えていただければと思います。何なら以前外注に出していた大阪の有名設計事務所ではもっと窓を大きくとっていました。

前述したように、家を暗くしてまでUA値を向上させるという行為はもはや「手段と目的がすり替わった」状態です。正直に申し上げて、当社も昔はそうなってしまっていた頃がありました。しかし実際に完成したお家の実測を重ねていくうちにスペック数値と実性能の不一致を感じ始め、今の方針に切り替わりました。お家づくりにおいては、女性のお客様の方が本質を見定める傾向があるように感じます。男性はついこうしたスペック数値や、「○○工法」「○○システム」といった機械的なギミックに目を奪われてしまいがちの方が多い傾向があります。かくいう私自身バリバリの男性脳であり、メカ好きなので、気持ちは痛いほどわかります(笑) しかし日々の生活、暮らしに直結するお家づくりにおいては、そういったスペックやギミックにこだわったところで、入居して数日もすればこの家のUA値など気にもならなくなり、むしろ日中でも照明が必要な暗さにストレスを感じるようになるでしょう。(まぁ寒い・暑いは論外ではあるのですが…)

こういった部分はさらに掘り下げて語ってもおもしろいと思いますので、また触れてみようと思います。




紀南地方でもっとも古くから高気密高断熱住宅を手掛けてきた弊社の強みは、このように高水準な数値を安定的に出すことができる点です。

気密数値を語る場合、この「安定したクオリティ」が非常に重要なポイントとなります。1邸1邸の数値が安定しないようでは、お客様によっては「ハズレ」を引く可能性があるためです。

なお、数値性能だけが良くても「=体感性能も良い」という訳ではありませんので注意が必要です。数値性能と体感性能が比例していない建物はたくさん存在します。

むしろ数値性能は参考までと考え、実際に寒い日・暑い日の見学会に参加して「しっかり性能を体感できる」ことが大切です。

今後もまた報告をアップしていきたいと思います。

 

 


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