エスケイハウジングでは、建築させていただくすべてのお家で気密測定を行っております。
先日も、田辺市で建築中の現場にて気密性(C値)の測定を行いました。
結果は 気密C値=0.14 でした。今回も安定の超高気密が確保できております。今回は総二階のお家なので気密測定には極めて有利な条件のお家でしたが、その期待通りのC値0.1台前半を出すことができました。
こどもみらい難民救済へ
またまたタイムリーな話題が舞い込んできたので、今回のコラムも急きょ話題を変えてお届けしたいと思います。特定の性能を満たした上で申請を行なえば80万ないし100万円の補助金が得られる「こどもみらい住宅支援事業補助金」。もともと2023年3月まで申請期限が設けられていたのですが、2022年11月に入ったあたりから加速度的に申請数が増え、11月28日、予想をはるかに上回る早さで予算消化にて終了してしまったのでした。そしてその後を引き継ぐように新たな補助金「こどもエコすまい支援事業」が発表されたのですが、その当初のルールが「11月8日以降に建築請負契約をした者が対象」とのこと。つまり「こどもみらい」に間に合わなかった施主は実質的に「こどもエコすまい」を受ける権利もないという状態になってしまい、その”穴”にハマってしまった施主が続出。やがてネット上でその人々たちのことが「#こどもみらい難民」と名付けられ、当社のお客様の中にも数組、こどもみらい難民が生まれてしまったのでした。
この”穴”のある制度に対して不満意見が続出し、政治家先生たちへの働きかけからか12月16日、「契約日は不問とし、11月8日以降に基礎工事より後の工程の工事に着手しているものが対象」と、「こどもエコすまい」のルール改定が突然発表されたのでした。このコラムを書いている12月18日の22時時点では「基礎工事より後の工程の工事」の明確な定義は発表されていないのですが、逆の意味から考えれば「11月8日時点で未完成の工事」という解釈もできるので、実質的にすべてのこどもみらい難民が救済されたと捉えて良いのではないでしょうか。
何はともあれ、我々住宅会社にとってもお施主様方にとってもたいへん喜ばしいことではあります。政府の粋な計らいに感謝すべきです。
この制度には抜け道がある
「”穴”がある制度」と前述しましたが、確かに今回こどもみらい難民が生まれた背景に政府側の落ち度(後述)がなかったとは言えません。しかし「こどもみらい」は当初より「2023年3月31日まで。もしくは予算が消化された時点で終了」と告知されていました。政府はもともとアナウンスしていた通りにこの補助金を終了させたのであり、また補助金というものは元来そういったものである以上、この時代にこのようなありがたい制度を用意してくれたことにまずは感謝しないといけません。しかしやはり私がこれらの補助金に対して”なんだかなぁ~”と思う部分は「予約」という制度の存在です。もともと本筋では「補助額以上の工事(=基礎工事)が完了した時点で申請ができる」というものなのですが、「ただし建築工事に着手した時点で予約も可能(予約すれば3ヶ月間補助額枠を確保できる)」というルールもあります。そしてこの予約には証拠が必要ありません。ここが最大のポイントです。普通なら「予約には着工日の入った工事写真の提出が必要」などという条件が付加されてもおかしくないのですが、なぜかそれが必要ありません。こんなザル制度であれば悪用する者が出てきて当然でしょう。そして建築系YouTuberなどがこの予約制度について取り上げ始めた途端に爆発的な予算消化が始まりました。真相は当然わかりませんが、かなりの数の不正が行われていることが予想されます。ちなみに当社でも予約制度を活用して数組のお客様の補助金枠を確保しましたが、すべての案件でルールを守った予約を行ないました。
補助金を受ける際の2つの心得
この予約制度の穴を是非、「こどもエコすまい」の方で是正してほしいと思っております。きちんとルールを守っている住宅会社や施主が損をしかねない制度はやはり是正すべきです。そしてこれからお家づくりを始める方々にこの際に是非知っておいていただきたいことは、このような補助金申請の際に自ら「不正をして補助金枠を確保しましょう」という提案をしてくるような住宅会社を絶対に選んではいけないということです。施主に平気で不正をそそのかすような住宅会社は他の部分でも不正をしている可能性があります。また「そこまでしなければ受注を確保できない=内容で選ばれていない住宅会社」という証拠でもあります。何より、不正受給がバレた際には施主自身も大きなリスクを負うことになります。そんな多大なリスクを負ってまで1件の受注に執着する住宅会社は、遅かれ早かれ消える運命にあると言っても過言ではありません。そして建築した住宅会社がいなくなって一番困るのは施主自身です。家は「建てて終わり」ではないのですから。過去には某大手ハウスメーカーがこういった不正の発覚によって営業停止処分を受けた事例もありましたが、それが地元工務店であれば1発で倒産です。
またもう1つ、今回の「こどもみらい」のように補助金は予期せぬ理由でもらえなくなる可能性があるということです。だからこそ、補助金をアテにした予算組みは絶対にしないでおきましょう。そもそも補助金が予算の要になるような資金計画なのであれば、それはあなたにとって過大な計画であるという意味です。何なら「もらえたらラッキー」くらいの心構えでも良いくらいかもしれません。営業マンはよく資金計画書に補助金額をマイナス計上して総予算を少なく見せに来ますが、それは非常に危険です。何より、たいていの補助金は建築が終わってからもらえるものです。つまり資金計画書にマイナスで計上されてあったとしても、補助金が降り込まれるまで一旦は自ら立て替えて支払っておく必要があります。こういった部分で「そんなの聞いていなかった!」と住宅会社との間でトラブルが起きるという話は、まさにこの業界の”あるある話”です。
紀南地方でもっとも古くから高気密高断熱住宅を手掛けてきた弊社の強みは、このように高水準な数値を安定的に出すことができる点です。
気密数値を語る場合、この「安定したクオリティ」が非常に重要なポイントとなります。1邸1邸の数値が安定しないようでは、お客様によっては「ハズレ」を引く可能性があるためです。
なお、数値性能だけが良くても「=体感性能も良い」という訳ではありませんので注意が必要です。数値性能と体感性能が比例していない建物はたくさん存在します。
むしろ数値性能は参考までと考え、実際に寒い日・暑い日の見学会に参加して「しっかり性能を体感できる」ことが大切です。
今後もまた報告をアップしていきたいと思います。