エスケイハウジングでは、建築させていただくすべてのお家で気密測定を行っております。
先日も、田辺市で建築中の現場にて気密性(C値)の測定を行いました。
結果は 気密C値=0.18 でした。今回も安定の超高気密が確保できております。そして次回のコラムでは、毎回こういった超高気密が安定的に確保できるその秘密の一部を明かしてみようと思います。
今回はその前段階のお話です。
物価高騰で耐震パネルをケチる(省く)住宅会社が出てきている
コロナ禍が始まって以降、建築業界だけでなくすべての物価が上昇しています。しかし同時に高性能推し住宅系YouTuber(自分もその端くれですが笑)の台頭と、何よりエネルギーコストの上昇から断熱性能を競う時代になり、そういった性能面には以前にも増してコストをかけなくてはならない時代に入りました。結果、ある情報筋によると、苦し紛れのコストダウンを行なう住宅会社が増えてきているようです。その「苦し紛れのコストダウン」というのが耐震パネル(構造用面材)を使用せず、昔ながらの筋交い工法に戻すという方法。確かに耐震パネルを省略すれば数十万円のコストダウンが可能であり、その分を断熱性能に充てることで性能をアピールしやすくはなるので、一見合理的な方法には見えるコストダウンです。
耐震パネル無しでも大丈夫??
結論から言えば、計算上の構造強度は変わりませんし、耐震等級3も問題なく取得ができます。だからこそ耐震パネルを省略するのでしょう。しかし実際の耐震強度は確実に弱くなると思われます。そもそも昭和の時代にメインであった筋交い工法が現代では耐震パネル工法に置き換わってきた経緯が、「点」で支える筋交い工法に対し「面」で受ける耐震パネル工法の方が実際の耐震強度とその持続性が上がることからです。
これについてはこの動画(←リンクあり)を見てみると一目瞭然、明らかに耐震パネル工法の強さが際立っています。また動画途中で見て取れるように、点で支える筋交いは力が集中すると折れてしまうことがあり、そうなると一気に耐力を失ってそこから崩壊していく可能性が出てきます。対して耐震パネル工法は無数の釘を打ち付けて耐えるため粘りがあり、一気に崩壊することが極めて起こりにくい工法となります。
まぁ極論を言ってしまえば、コスト問題を除けばほとんどすべての観点において筋交い工法よりも耐震パネル工法の方が上回ると考えても差し障りはありません。
こういったことから平成後期~コロナ禍が始まった直後までは、筋交い工法を採用しているのは格安系の建売やローコスト住宅に限られていました。逆にそれなりに性能に配慮して建てられる注文住宅では当たり前に耐震パネル工法が採用されており、数年前はそのことを耐震性能のアピールのために謳っていた住宅会社も多数いました。
【次回予告】筋交い工法+発泡ウレタン断熱=最悪の組み合せ
長くなってきたので今回はこのへんで。次回コラムで今回の本題について切り込んでみようと思います。紀南地方でもっとも古くから高気密高断熱住宅を手掛けてきた弊社の強みは、このように高水準な数値を安定的に出すことができる点です。
気密数値を語る場合、この「安定したクオリティ」が非常に重要なポイントとなります。1邸1邸の数値が安定しないようでは、お客様によっては「ハズレ」を引く可能性があるためです。
なお、数値性能だけが良くても「=体感性能も良い」という訳ではありませんので注意が必要です。数値性能と体感性能が比例していない建物はたくさん存在します。
むしろ数値性能は参考までと考え、実際に寒い日・暑い日の見学会に参加して「しっかり性能を体感できる」ことが大切です。
今後もまた報告をアップしていきたいと思います。